八月の博物館/瀬名秀明
奇しくも、この作品を読んでいる最中に、エジプトでムバーラクの独裁政治に対する反発デモが続発、エジプト革命(2011年1月25日)と呼ばれるに至った痛ましい事件の数々が起こり、数多くの死傷者を出しました。人命だけでなく、シナイのカンタラ東とカイロ博物館と、歴史的遺産も甚大な被害を被ったのでした。革命と呼ぶには悲惨すぎる結果になってしまいました。
プロローグは「エジプト、ナイル(1859年)」の場面から始まります。
本作に古代エジプトやエジプト関係の壮大な歴史的事象が描かれているとは露知らず読み始めたわけだったのですが、読み進んでいくとほどなくして、「博物館」=「THE MUSEUM」の話が出てきます。
なるほど。「THE MUSEUM」=博物館、美術館、動物園、水族館、植物園。
まるでCG作品を観ているかの視覚的な世界へと運んでくれるのも、著者の得意とする魅力のひとつだと思いますが、今回も例外ではありません。
作中には、オーギュスト・マリエットという実在した考古学者も登場。
とてもキメ細やかで端正な作風の著者・瀬名秀明の大ファンなので、「パラサイト・イブ」、「BRAIN VALLEY」と、小説作品も順を追って読んでいましたが、いままでとは違う切り口で、私小説風のタッチで全体が覆われている作品です。
一人称で書かれている主人公が「現代文学を知らない理科系ミステリー作家」と評されたということで、ちょっとした呪縛に罹っているかのようすなのも気になります。
実際の著者はこういう下馬評もどきをこんなにも気にする方なのだろうか、とも。
小学校6年生の7月20日、金曜日、終業式の帰り道に亨(トオル)少年に起こったできごとが、少年にとっては魅力的なことこの上ないであろう「八月の博物館」というシチュエーションの中へと引き込んでいき、ひと夏の経験を経る冒険小説のようにも描かれています。
ドラえもんのタイムマシンを彷彿させるノスタルジックさに包まれた、壮大なロマン小説です。
三次元中継で進んでいくうちに、どこかで繋がりそうなスリルもあり……。
猫がテーマの作品ではありませんが、ジャックという名前の黒猫も登場しています。
それにしても、住宅街の何気ない洋館がこんなに素晴らしい「ミュージアム」だったら、なんて素敵なのだろうと想像しただけでも一生楽しめそうです。
八月の博物館
2003年6月25日 角川文庫判・初版発行![]()
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子供時代、将来、考古学者になりたいなどと漠然と夢を描いたこともありました。
大抵の子供が憧れるかのような通過点であったのかもしれません(^ー^*)
子供の頃になりたかった職業は、魔法使い、忍者、サーカス団員、JAC(ジャパン・アクション・クラブ/千葉真一主催)のアクションスターなどがありまして、思春期に足を踏み入れ始めた頃には、グラフィックデザイナー、コピーライター、シンガーソングライター、出版社勤務、インテリアデザイナーと並んで、考古学者の選択肢も芽生えていたのでした(^ー^ゞ)
考古学者や映画監督にも憧れつつ、なんでそちらを窮めるための勉強をせずに、安直に稼ごうとする道を選んでしまったのか、いまになってあらゆるシワ寄せが出ているような気がします(´∀`;)
吉村作治のエジプトピア EGYPTPIA
今年は豪華客船タイタニック号が大西洋で氷山に座礁後、沈没した事故(1912年4月15日)から100年になるそうです。
今年のイースターは4月8日(西方教会)と15日(東方教会)ですが、イースターの日でもありますね。
同じ年(100年前)の秋に、日本でも大型汽船「うめが香丸(Umegaka Maru)」が門司大里沖に停泊中に、台風による転覆事故で沈没(1912年9月22日)。1,000人以上に及ぶ死者を出す事故となったことも載っていて、そちらについては初めて知りました。
いずれも痛ましい事故だと感じます。
100年間の主な海難事故







































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